ぎりぎり虫のつぶやき

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読書感想:「ぼっけえ、きょうてえ」

仲良しのお友達に岩井志麻子の話をすると

「「ぼっけえ、きょうてえ」なんて、「能登怪異譚」のまねっこだよ。こっちのほうがおもしろいよ」

 

能登怪異譚 (集英社文庫)

能登怪異譚 (集英社文庫)

 

 とうので、彼の書棚から「能登怪異譚」を借りてきて、あっという間に読了したのでさて実際のところ、「ぼっけえ、きょうてえ」はこれに劣るのか?とさっそく、図書館から借りてきました。

ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫)

ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫)

 

 この本のなかに、何話か収録されており、表題にもなった「ぼっけえ、きょうてえ」。「能登怪異譚」のような、語り手が誰かにむかって話しかける怖い話、というスタイルは同じではありますが、わたしは別物と読みました。

遊女がお客さんにむかって語るかたちで明かされるいろいろな怖い話ですが、なんつーか、いろんなのを寄せ集めただけという感じで心動かされませんでした。ただ、その次の話「密告函」はおもしろくて、ずんずん読んだのですが、最後の数ページで時間切れとなり、出勤準備にかからねばならなくなったため、仕方なしに中断しましたが、帰宅して最後まで読むのがたのしみです。

仲良しのお友達は評価していないようだったけれど、わたしは岩井志麻子の文章のうまさに感心しました。いちいちひっかかるところがなく、比喩やならびに舌を巻く。こんなにするすると小石がない感じでこころよく読み進められるのは、わたしにとっちゃ、池波正太郎いらいです。